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そこに残っていたのは、
皆森の民であるばかりか、 王族に縁のある者達ばかりであった。 かつての侍従、側近、食事係… 皆、自分達の復帰を抱き合って喜んでいた。 楓がゆっくりと近づいて、 葵の手をぎゅっと握りしめた。 「本当に良かったな。 これからは親子仲良く暮らすのだぞ。」 そして王と王妃に別れを告げると、 元地球人……いや…… あの男が居る牢獄に向かって、 ザクザクと音をたてて足早にその場を後にした。 楓にはもはや何の迷いもなく、 その瞳には冷やかに燃えあがる、 炎がメラメラと映っていた。 かなりの時間を叫び続けたのか、 その男はぐったりと頭をうな垂れて座り込んでいた。 しかし、 人の近づく気配を感じると、 むっくりと起き上がり、 獣の様な目つきになって、 その相手を今か今かと待ち構えていた。 ギイイー……ガシャーン! カツーン……カツーン…… 「元地球人殿、ご機嫌はどうかね? おっ……まだ気力が残っている様だな。 なかなかシブトイのお。くくく……」 その男を前にして楓は挑発していた。 「何をー……貴様、何奴じゃ? 申してみよ! さっ……言うのじゃ! これは王の命令だぞ。絶対服従だ!」 肩でゼイゼイ息をしながらも、 王としての振る舞いをまだ保っていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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