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楓は何食わぬ顔で、祝宴の場所に戻っていた。
無礼講であった為に、かなりの者が泥酔して、 床に寝そべって、高いびきする者までいた。 「平和なものだな。さっ……ここからが本番だ!」 自らの心に言い聞かせて、皆の前に立った。 楓の眼つきは次第に鋭くなり、 ギラギラとしたその様は、 一瞬まるで狼そのものに見えた。 楓がその場で呪文を唱えると、 瞬時に空間移動が行われ…… 景色は森の中へと変わった。 「んー……」 次々と皆目を覚まし始めていた。 そして…… さらに楓は麻袋の中から、 持ってきた薬草の『思い出草』を取り出し、 それに火をつけ始めた。 すると…… あたりはすぐにその煙に包まれ、 ほとんどの者が記憶を取り戻し、 自分たちが地球人であることを 思い出したのである。 お互いに己の姿を確認しては、 涙を流しながら、喜び、抱き合った。 それを見ていた楓が、 強い口調でこう言った。 「二度と過去の過ちを犯すでないぞ! もう一度だけ機会を与えてやろう。 さあ美しい新たな地球として、 この地を開拓するがよい。ただし…… それなりの代償は払って貰うからな! 地球人どもよ! さあ、行くがよい!」 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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