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「ここに居たのか……」
元々お酒には強かった司が起きてきた。 その声に、さっきまでの空気が跡形も無く消えて、 茜姫は現実に引き戻された。 17歳の司は、飛行民族ではもう立派な成人であった。 15歳で元服をむかえ、 そこからは大人扱いになり、 果実酒も堂々と飲めるのである。 「月族ってすごい力を持っているんだな。 あれほどの人数を一瞬のうちに、 ここまで連れて来ることが出来るんだからな。 本当に驚くことが多いぜ!」 そう言って視線を茜姫に移した。 「みなさま、相当酔っていらしたからですわ。 それに……アタクシ達の素行を…… これ以上お見せしない為にも、 そうさせて頂いたのですよ。おわかりになって?」 王女らしい茜姫の毅然とした声は、 司を暫く黙らせた。 「姫様、これからどう居たしましょう? ここは飛行民族の方々が、じきに開拓されましょう。 王様、王妃様が月にてお待ちでございます。 さあ、姫様、私どもと月に戻りましょう!」 しっかり者の紫苑が茜姫に問いかけてきた。 「アタクシが、何故、月を飛び出したか…… 忘れたんですの? 紫苑! 藍花! 父上の決めた方との婚姻など絶対にイヤですわ。 アタクシ、まだ14になったばかりですのよ。 もう将来を決められるなんて……」 茜姫はわっと泣き出してしまった。 「14で結婚だって? だから……月を逃げ出してきて…… そして……あのススキの原で出会ったのか…… 泣いていたのは……そういうわけだったのか……」 今までを振り返りながら、 自分にも何故なのか解らない程に、 司の心は少し揺れていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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