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楓は親のぬくもりを知らずに、
王族として、茜姫と一緒に育った。 自分の生い立ちについては、 何となくウワサとして耳に入っていた。 王族の茜姫の伯父である父親。 魔界族の王女である母親。 月の厳しい掟を破り、 道ならぬ恋を貫いた二人は、 まだ楓が赤子の時に、 既に宇宙の何処かに流罪になっていた。 月では、王族は魔界族とは、 共存共栄の関係にあったが、 お互いの種の純血を守る為に、 「異族の婚姻はご法度!」 なる厳しい掟があった。 しかし、 年に一回盛大に行われる王族主催の仮面舞踏会で、 二人は、出会ってしまったのだ! そんな掟も関係ない程に、 お互い運命の赤い糸を手繰り寄せ、 若い情熱のまま契りを結んだ。 楓の父親は次期国王になる身であった。 しかし『そんな身分など関係ない!』と、 愛する女性と喜んで、その罰を受けた。 王族、魔界族を追放された二人は、 この宇宙の何処かで生きている。 「父上は……母上は……今…… 何処で、どうしていらっしゃるのだろう?」 そんな楓の切ない表情に茜姫が心配になって、思わず口を開いた。 「兄さま、どうしたの?」 「何でもないよ。 さ! 早く帰らねば、皆が心配するよ」 その声が、幾重にも心に反響して…… 茜姫は、急に、楓に逢いたくなっていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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