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ザザザ……ザザザ……
波が打ち寄せる砂浜に三人は佇んでいた。 「姫様、寒くはありませぬか?」 そう言って藍花はそっと羽衣を差し出した。 「ええ、大丈夫。 それよりも……皆移動できましたの?」 「はい! 人数が思いの外少なかったので…… しかも……ほとんどの方が、 美酒に酔いしれておりましたので、 皆全ては夢の中の出来事だと、 思っていることでございましょう」 しっかりとした口調で紫苑が答えた。 ここは茜姫が地球以外に、 飛行民族が唯一生きていける場所として、 木の下の集会場で話した「海球星」である。 まるでかつての地球と瓜二つの様相を呈していた。 一つ違うのは海以外の陸には…… 原始植物だけが生い茂り、 小高い丘があるだけで、 他の生き物の気配を全く感じないことであった。 「あっ!」 突然藍花が驚いた表情で声を上げた。 しかし姫様の前だという事に気づき、 もう一回、丁寧に言い直した。 「恐れながら申し上げます。 只今私の手のひらに…… 謎の白銀の光が現れております。 方角的に申しますと…… 先ほどまで居りました場所にございます」 「白銀ですって! ついに、あの方が覚醒されたのですね」 思わず茜姫は叫んでしまった。 「ついに……ついに…… 夢にまで見た……あの方が……」 そう言ったきり、茜姫はただ波間を見つめていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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