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「では只今から……
楓様のお召し代えをさせて頂きます!」 鳥のさえずりの様に澄み切った声。 それを聞いていると、ここが地底ではなく、 キレイな水を湛えた湖畔に居る様な錯覚に陥った。 「ひょっとして…… この子は……ここの者ではないな」 かつて幼い頃に聞いた声の記憶が蘇ってきて、 楓は懐かしい気分になっていた。 「ん。この服、気に入ったぞ!」 そう言って鏡の前で一回転してみせた。 透き通る様な肌に、端正な顔立ち。 きっと楓は母親似なのだろうと、 誰もがそう思っていた。 「おうー……楓…… 王族の装束が実に似合っておるぞ。 さあこちらに来るがよい!」 そう言って玉座にどっしりと腰を下ろした。 「はい! 父上」 食卓には何処で取れたのだろうという程、 色とりどりの食材を使った料理で、 食卓は埋め尽くされ、 さらに次から次へと料理が運ばれてきた。 それを見た楓は、 「父上、さすがの私もこんなには食べ切れません。 今日は再会のメデタイ宴。 この者達と一緒に良き日を祝いたいのです。 私の願いをお聞き頂けますか?」 そんな提案に侍従は真っ青になり、 そこに居る者達の身体は既に硬直していた。 そんな暫しの静寂の後、 「ははは……楓には……参った! 参った! 今日は無礼講じゃ! 皆のもの、思い切り食べて飲むがよいわ」 今までに聞いたことも無い言葉に、 皆戸惑っていたが、 楓は地底の王に何種類という酒を、 虹色のギヤマンの杯にニコニコしながら注ぎ続けていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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