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あたりをグルリと見渡して、
楓は、うん! と一人頷いていた。 「ちょっと散歩してきていい?」 そう侍従に言うと…… 「ちょっとお待ちくださいませ。 王様にお聞きして参りませぬと。それでは失礼致します」 そう言って侍従は奥の間へと消えていった。 「何か一つする度に、 ここでは王のお伺いを立てなきゃいけないのか? 厄介なところに来たものだ!」 さっきまでの人懐っこい表情とは打って変わって、 大人びた鋭い目つきになって呟いた。 「お待たせ致しました。こちらの者をお側にと、 王様からのご伝言でございます。 今日からこの子が身の回りのお世話をさせて頂きます。 さっ……楓様に挨拶をせぬか!」 侍従の傍に居たのは、まだ年端もいかぬ、 楓よりも幼い少女だった。 「なんと……むごい…… まだほんの子供ではないか」 心の中で楓はそう思ったが、無邪気に笑いながらこう言った。 「そうか。父上の言うことは守らねば!」 「ああ……あの……今日から…… 楓様のお世話をさせて頂く…… 葵(アオイ)と申します」 消え入る様な声でやっと挨拶をした。 「そんなに緊張することは無いよ。 私は父上と違って怒りはしないよ。 その点は安心するが良いさ! ア・オ・イ!」 そう笑顔で話しかけると、 葵はハニカミながら笑顔を返した。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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