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「おお〜。楓(カエデ)ではないか!
急に現れるとは驚かせおって……」 そう言って王は近づいて頬にキスをした。 「それは失礼致しましたな。 いや、たまには…… 父上のご機嫌を伺わねばと…… この様に馳せ参じたのでございますよ」 そう言って深々と一礼をした。 「かか……楓さま、お荷物を…… お預かり致しましょう。 王様、これはどの様に致しましょう?」 ビクビクしながら上目使いで、 王の方に向き直し侍従が尋ねてきた。 「ん。それはあとで良いわ。 今日はこの様に楓とのメデタイ再会の日じゃ。 ぼぅ〜と何をしておる。 早よう祝宴の支度をせぬか! 急げ!」 その語調の強い言葉とは裏腹に、 王の顔は喜びに満ち溢れていた。 「王に子供が居た!」 皆の心の中に衝撃が走り、 それはどんどん伝染していった。 そしてこの世継ぎの出現に、 今までの道のりをさらに強固にする、 これからが始まるのかと思うと、 言い知れぬ戦慄に苛まれるのであった。 王が奥の間に戻った後、 急かされる様に持ち場に戻り、 皆黙々と祝宴の準備に精を出していた。 ただ一人を除いて……。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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