届かない季節(翼の章)(17)
「あれは何の光だったのだろう?」
何処かで見た様なおぼろげな記憶が、
警備隊長の脳裏をかすめていた。

しかししばらくすると……
脳の深部がすごく痺れて、
それ以上考えることが出来ない。
アヤカシの術の威力は、
どこまでも地球人を苦しめていた。

依然として見つからないどころか、
せっかく翼狩りで捕らえた二人も逃がし、
益々、地底の王の怒りは、
頂点に達しようかというところまで来ていた。

「なんていう事だ!
我々の楽園化計画がここにきて、
メチャクチャになっておるわ!
もっと有能な部下は居らぬか?
のう……侍従……
他にもっとマシな者は居らぬか?」
そこらじゅうに響き渡る声で侍従を叱責した。

「ははー申し訳ありませぬ。
只今適任者を選定中でございまして……
今しばらく……どうか……どうかお待ち下さいませ」
地面に頭を擦り付けて侍従は震えていた。

「まったく……どいつも使えんのう。
酒がまずくて仕方がないわ!」
持っていたギヤマンの杯を、
地底の王はイライラしながら、
地面に叩き付けた。

割れた欠片の一部が、
マントに包まれた人物の前に、
キラキラと舞いながら飛んでいった。

「これはまたずいぶん荒れていますね。
お久しぶりでございます。父上!」
被っていた帽子をはずし、
気品のある仕草で地底の王に挨拶をした。

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【2008/05/01 11:45 】 | 届かない季節No.1(小説) | コメント(0) | トラックバック(0) |
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