届かない季節(翼の章)(15)
「あぁー間一髪!」
そう言って茜姫をそっと抱きあげたのは、
双子の紫苑と藍花の二人の兄弟だった。

何処から入ってきたのか、
皆ポカーンと口を開け、
疑念を持ってジロジロと二人を凝視していた。

そんな雰囲気を察知したのか、
茜姫をそっと床に置いて、
紫苑の方が先に自分たちのことを話し始めた。

「皆さま、はじめまして!
我々は姫様と同じく月族のものであります。
月では姫様のお側に仕えておりましたが、
約三月ほど前に……
姫様が突然月を飛び出され、
お探しする様に申しつけられました」

「うーん……何かしら?
いやに騒がしいですわねえ……」
茜姫は意識を取り戻し、
少しぼんやりした焦点を合わせていくと……
そこには見慣れた紫苑と藍花の姿が現れた。

「これって何ですの?
何が起こったんですの?
まさか……司、アナタ何かしたのですか?」
茜姫はすっかり取り乱し涙を浮かべていた。

「姫様、落ち着いて下さいませ。
王様も王妃様もそれはそれはご心配なさって……
それで私たちは姫様をお探しする様に
申しつけられたのでございますよ」
……と今までの状況を紫苑が説明し始めた。

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

【2008/04/30 20:04 】 | 届かない季節No.1(小説) | コメント(0) | トラックバック(0) |
<<鬼の目にも涙 | ホーム | 届かない季節(翼の章)(14)>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://fantasyhat.blog21.fc2.com/tb.php/24-3961f879
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |