「桃の木の下で」欠片(5)
ピチッピチッ……
鳥たちはアカシアの木に止まり、朝の情報交換に何かと忙しかった。
穏やかな日差しは魔女の館にも届いていた。
「おはようございます。清清しい朝でございますな。
ソル婆、お加減は如何ですか?もしご気分が良ければ、
私、ホップめが朝の散歩をエスコート致しますが……」

昨夜、ソル婆が早々に寝入ったのを確認すると、
ホップ、ジュピター、ラビトを交えて、
ルナの一件について事態の打開をすべく、
ちょっとした話し合いをしていた。

「ホップ、どうしたものかねー。
お前さんの知恵袋には何か入っていないかい?
私らは、それに期待するしかなくて……
何せ誰も経験したことが無いことだからねー」
少し俯きながら、ジュピターが口火を切った。

「まずはレコードの修復ですなー。
これは根気が要りますが、
全ての欠片をジグソーパズルの様に並べれば、
まずは大丈夫だと思いますが……
恐らく微細な欠片までは回収出来ていないでしょう。
その部分をどうやって埋めるのか……
なんにしても大仕事にございますなー」
さすがの冷静なホップも今回ばかりは、
沈痛な面持ちであった。

「そうかー。ホップでも難しいかのー。
でも『三人寄れば文殊の知恵』という言葉もある。
色んな方向から考えていこうじゃないか……
それに『急いては事を仕損じる』と言うし……
じっくり構えていこうじゃないか!」
そう決意表明をするジュピターであった。

「そうでございますな。
まずはソル婆に気づかれないように。
皆様、そういう認識で……明日から参りましょう!」
ラビトの力強い言葉の後、皆、それぞれ床へと就いた。

「調子は絶好調さ! グッスリ眠っていたからね。
よし! ホップと散歩に繰り出そうかね。はははは……」
ソル婆の足取りは実に軽やかであった。

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

【2008/06/29 00:33 】 | 桃の木の下で(小説) | コメント(0) | トラックバック(0) |
<<「桃の木の下で」欠片(6) | ホーム | Change The World!>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://fantasyhat.blog21.fc2.com/tb.php/222-8deb0bfb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |