「桃の木の下で」森の掟(9)
ソル婆がラビトと談笑している間に、
ジュピターはお茶の準備をすると言って、
奥のキッチンへと消えた。
辺りの様子を十分確認しながら、
ラビトから受け取ったレコードの欠片全てを、
近くにあった木箱の中に素早く隠した。

そして何事も無かったかの様に、
バターのいい香りのするクッキーと、
夏摘みのダージリンティーを運んできた。

ルナはソファーの上で、まるで人形のように座り、
表情一つ変えることなく、虚ろな瞳で、
遠くの世界を見ている様だった。

「ところで……
ルナはずっと黙ったまま座っておるが、
ラビト、その辺の事情を何か知っているかい?
さっきから気になって……」
ソル婆はルナの傍に座ると、
その手を優しくさすり始めた。

どういう説明で乗り切ろうかと
ラビトが頭の中を巡らせていると、
思わぬところから助け舟はやってきた。

「いやー、これは皆様お集まりで……
午後のお茶会ですかな。んー良い香りだ。
つい美味しそうな匂いに誘われまして……
お邪魔させて頂くとしますかな」
ニッコリ笑って、玄関から顔を出したのは、
キリギリスのホップであった。

(第二章:森の掟 完)

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

【2008/06/25 13:22 】 | 桃の木の下で(小説) | コメント(2) | トラックバック(0) |
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コメント
がーん
ルナの処遇が心許ない状況で第二章が終わってしまった(ノω;)
どうなる、ルナ?!
【2008/06/26 01:33】| URL | かたな #uYRd4Z.Q[ 編集] |
To かたなサン
おはようございます。
「これからルナはどうなるかっっっ!!!」

ええーこれからが……
本当の物語の始まりなのでございますケロ。v-535
只今、鋭意製作中♪(言って見たかっただけ)
【2008/06/26 05:37】| URL | 森野帽子 #GxAO5jdM[ 編集] |
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