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その老女は倒れているソル婆の横に座ると、
持っていた杖を翳し、身体の上に交差させた。 すると…… それまでピクリとも動かなかったソル婆が、 薄紅色の頬をして、むっくり起き上がったのだ。 「おや、わたしゃ、どうしてここに?……」 自分の現状を把握するまでには、 まだ脳内の機能は回復してはいなかった。 「ソル婆、私がわかるかい? ジュピターじゃよ。魔女の館の……」 「おおー、ジュピター、息災だったかい? それにしても、何故、ここに私が? うーむ。どうしても思い出せない…… ラビト、何か知っているんじゃないかい?」 何も覚えていない様子のソル婆は、 ただキョロキョロ辺りを見回すだけで、 何処か心もとない表情をしていた。 「いえいえ、何もありませんよ。 少しばかり気分が悪くなっておいでで、 そこにたまたま通りがかりましたので、 私の馬車でこの館にお連れしたというわけでございますよ」 「そうかねー。それは安堵した。また何かやらかしたかと…… ほれ周知の様に、そそっかしい気質だろ? ははは……本当に迷惑かけたねー。 もうラビトには大口はたたけなくなった! ああー恥ずかしい……ははは……」 ソル婆が赤面しながら笑う中、 ラビトもジュピターも、お互いに目配せをすると、 笑いながらそっと頷いていた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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