届かない季節(翼の章)(11)
「ここも危ないというのか?」
司はじっと目を閉じて腕組みをしている。
その傍らで茜姫は不安な面持ちで……
「危ないって……ここを出て行くということですの?」
その問いに司はすっかり考え込んでしまった。

銀色の髪をすっとかき上げて、
「そうだよ。地底の民に我々の存在がバレた以上、
この星に留まり続けるという事は、
近い将来訪れるであろう死をも意味するのさ」
ゾッとする程落ち着いた司の声であった。

「さっ姫も一緒にこちらへ……」
さっきの表情はさっと何処かに消えて、
ちょっと茶化しながら茜姫を誘い、
一緒に長老達の待つ場所へと連れ立った。

「わからない人ですわね。
どちらのお顔が真実なのかしら?」
そんな事を思いながらも、これから先
彼らと行動を共にするべきか否かを考えあぐねていた。

「ほらほら、姫様急いで下さいよ!」
ちょっと先を歩いていた司が、
またからかってそう言ってきた。

長老達を取り囲むように、
他の飛行民族も次々と降り立ってきた。
総勢50人ぐらいは居るだろうか……。

「皆周知のことと思うが……残念ながら……
もうこの星に我々は居られなくなった!
奴らがここを探し出すのに、
そんなに時間はかからないであろう。
早速これからについて話し合いを行う!
皆の衆良いかの?」
長い髭を蓄えた長老が話を切り出した。

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

【2008/04/29 02:37 】 | 届かない季節No.1(小説) | コメント(0) | トラックバック(0) |
<<泣きっ面に蜂 | ホーム | 届かない季節(翼の章)(10)>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://fantasyhat.blog21.fc2.com/tb.php/18-93bc6e1f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |