届かない季節(漂流の章)(37)
遠くで波が岩に砕け散る音が聞こえていた。
月族の三人が飛び出した後、
司と椋は二人とも腕組みをしていた。

「仕様が無い奴らだな。
揃いも揃って、向こう見ずの性格ときている。
おい、椋、これからどうするんだ?」
心配でたまらない司が、早口で、
椋に平静を装いながらそう聞いてきた。

「茜姫には、しっかりした紫苑も、
機転の利く藍花も、付いているんだよ。
きっと大丈夫さ! いや絶対大丈夫だ! 
こんな愛しい人を心配なんかさせないよ。
ねっ、そうだろう? ツ・カ・サ!」

その言葉を聞いて、
少し冷静さを取り戻した司は、
「これじゃ、いつもと逆だな!」
と一人苦笑していた。

「今はこの惑星の事を、
もっともっと知っておきたいんだよ。
これからここで暮らすんだからさ。
まずは海の民との話し合いが先決さ!」
そう言いながら、渚との再会を思い、
椋の胸の高まりは、徐々に激しくなっていた。

それを見た司は、
「ははーん。さ・て・は……
美しい人魚姫にあったのか? 
図星だろ! 俺の感に狂いは無いのさ!」
そう言って椋をからかった。

すると、
椋は耳まで真っ赤にしながら、
司の腕をグイと掴んでいた。
しかし、直ぐにその手の力を緩めて司から離れると、
目の前の砂浜に佇み、深く切ないため息を放つのであった。

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

【2008/06/06 20:32 】 | 届かない季節No.2(小説) | コメント(2) | トラックバック(0) |
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コメント
ひさびさに(=゜ヮ゜)
(待ちに待った?!)椋と司の登場ですね。
愛しい人を思って胸焦がす二人が羨ましい限りです(=゜ヮ゜)
【2008/06/07 01:48】| URL | かたな #uYRd4Z.Q[ 編集] |
To かたなサン
こんばんは。
ええー、司と椋くんは恋するお年頃。
だってまだ17だーからー♪
(皆様、大いに胸を焦がす恋愛して下さいませ!)

恋愛ですかー。遠い目。
何とか記憶を掘り起こしながら書いてます。
んー非常に厳しいー!!!ですケロ。v-535
【2008/06/07 18:38】| URL | 森野帽子 #GxAO5jdM[ 編集] |
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