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ピチョン。ピチョン。
洞窟の天井部から幾つもの雫がしたたり落ちている。 「今日は何だか寒いわねぇ。そう思わない紫苑(シオン)?」 のんびりとした藍花(アイカ)の声が反響していた。 「しっ……声が大きい!」 その声は藍花とは対照的にとても張り詰めていた。 「捕まって日が経つんだ。 きっと季節とやらも巡っているハズさ。 ここは我々が住んでいた所とはだいぶ違う。 季節というものが存在するらしい。 僕が調べた限りでは、ここは太陽系の惑星みたいだね。 といっても、ここまでなかなか光は届かないけれど……」 「そうなの? そろそろ月に帰りたくなってきたわ。 もう〜姫様ったら何処にいらっしゃるのかしら? このあたりだってことは、ここに映っていたんだけれど……」 そう言って藍花は手のひらを紫苑に見せた。 手のひらには幾つもの線が縦横に描かれていて、 その中にうっすらと茜色の光が点滅していた。 「あらっ? 昨日、見た時は確かにここだったのに…… 今は随分離れた場所に姫様いらっしゃるのね。 これって一体どういうことかしら? 黄金色にはなっていないからご無事だとは思うけれど……」 藍花が続けて話し始めようとした時、 「しっ! 藍花。おしゃべりは後だ。 さっ早く寝たふりをするんだ。この布を被れ!」 そう言って布を手渡すと、紫苑も同じ様に急いで横になった。 カツーン、カツーンという音が、 段々はっきりと聞こえてきて、 こちらに誰かがやってくるのがわかった。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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