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「早急というと……
楓様、何でございましょう?」 そう言う屈強な地底の王を見上げると、 滅多に感情を人前には表さない楓が、 不覚にも泣いてしまったのである。 「楓様……楓様…… 何か失礼を申し上げましたかな…… それなれば……謝らねばなりますまい」 おろおろしながら地底の王は、楓の傍に駆け寄った。 すると今度は楓は地底の王の胸に飛び込み、 泣きじゃくってしまったのである。 しかし王は何も言わず、 優しく楓の身体を包み込んでいた。 ひとしきり泣いたところで、 楓は我に返り少し頬を赤らめた。 「とんだ無礼を働いてしまった様だ。 大変失礼なことを……」 そう言って腰に装着していた剣を、 王の前に差し出した。 「ははは……何がこれから始まりますかな? 楓様酔狂が過ぎますぞ…… 何も無礼な事など……ほら……ご覧あれ。 ここには我ら以外誰もおりませんぞ。 安心なさるがよい!」 そう言って笑っていた。 その言葉に楓の顔は益々赤くなって、 ただ俯いたまま……口を一文字にして、 その場に居るのがやっとだった。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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