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「あっ!
月族の方が誰かに連れて行かれたわ!」 話し合いも終わった頃、 突然藍花が大きな声で叫んだ。 その時藍花の手の平は、 暗緑色の光が点滅していた。 それは月族の人間が居る証であり、 しかも何らかの危機に遭っている、 ということを表してもいた。 暗緑色というだけで、 他の二人もそれが誰を指すのか、 もう理解出来ていた。 それは楠の側近を表す色だったからだ。 そこに居る三人は、 楠に会ったことすら無いのだが、 月族の間では楠と朱華の恋物語は、 『月の弓』という小説として語られ、 年頃の少年少女の間では、 一度は読んだことのあるものだった。 「どうやら場所はここの様だわ。 どうして楠様の、側近の方がこちらに?」 しばしの間が空き…… 「楠様はこの惑星にいらっしゃる!」 紫苑と藍花は同時に叫んだ。 茜姫の前だった事に気が付き言い直した。 「失礼致しました。 姫様、楠様ご一行はこちらの惑星に、 住んでいらっしゃる様にございます」 そう言うと茜姫の言葉を待った。 「そう……お話には聞いておりましたわ。 楓兄さまのご両親…… わたくしにとっては伯父上と伯母上。 そう、この地に…… さぞや会いたいでしょうね。兄さまは!」 そう言って茜姫は月を見上げた。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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