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「ごちゃごちゃと……煩いぞ!」
そう大きな声で近づいてきたのは、 火の民の長、玄武(ゲンブ)であった。 「これは……玄武様。 不審者のようでして……で、思わず…… おいら……殴っちまったんでさあー。 すすす……すみません!」 そう言うと、すごすごと、 後ろの隊列に加わり戻っていった。 「ここに居る連中は血の気が多くて困るわ。 まぁ、ここに居るのはそんな奴等ばかりか ……ふははは……」 この言葉を聞いてその場にいた者は、 身体を震わせていた。 この様に静かに笑っている時ほど、 玄武の機嫌はすこぶる悪く、 その後が大荒れになってしまうのは、 周知の事実だったからである。 「どれどれ……こやつかー。 ここに追放印がついておるわ。 何処かのならず者なのか…… こいつは使えるかもしれんぞ。 おい、牢屋にでも入れておけ!」 「へい、わかりやした!」 そう言うと屈強な男たちが二人がかりで、 芭蕉で編んだ縄でぐるぐると全身を縛り上げ始めた。 そして蛍をひょいと担ぎ上げると、 言われた通りに、牢屋とは名ばかりの、 不揃いの木の柵に囲まれた場所へと消えていった。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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