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ゆらゆら揺れる蝋燭の灯りに照らされて、
茜姫の羽からは幾重にも光が放たれ、 あたりの輪郭を透明なものにしていった。 それと同時にそこに居る者達の時も止めていた。 「お前がやったのか?」 司の口は何故かそう動いていた。 「ええ、アナタとお話がしたかったんですもの」 そう言ってちょっと茜姫は頬を赤らめた。 「アナタには命を助けて頂いたのです。 ちゃんとお礼も言わぬままでは失礼ですわ」 水晶の様に透き通った声で続けてこう言った。 「先ほどは危ないところを助けて頂き、 本当にありがとうございました。 申し遅れましたが、私の名前は茜姫。 月族の王女なのです」 言い終わった後の王女らしい優美な振る舞い。 司はすっかりあっけにとられていた。 「月族? しかも王女だって? じゃあどうやってあの月からやってきたんだ? まさか……俺たちと同じ方法で空間移動出来るというのか?」 ジジジジ……と蝋が溶ける音がして、 光の帯は少しずつ解けていき、 やがて全てすっと何処かに吸い込まれていった。 それと同時にさっきのザワザワとした賑わいも戻り、 婆やが食事を運んでくるのが見えた。 「司様、食事の用意が整いましてございます。 ささ……そちらのお嬢様もこちらにいらっしゃいませ。 本当におキレイでございますな」 そう言って婆やは司に軽く目配せをした。 テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学 |
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